ファッションに対するポリシーを言語化してみる

先日、内館牧子さん著の『すぐ死ぬんだから』という本を読みました。

主人公の忍ハナは78歳。
「人間は60歳代以上になったら実年齢に見られない努力をするべきだ」という信条を強く持っていて、
美しさと若さを保っています。
一方で、美しさや若さを保つ努力をしない人には心の中で悪態をついています。

 

ポリシーが揺らぐ時

ここからはネタバレを含むので、ご注意を・・・!

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物語の中盤で、ハナの夫岩造が突然亡くなります。
岩造は生前、「若くてきれいなハナが自慢だ」と事あるごとにハナに伝えていました。

夫が突然亡くなり落ち込んだハナは、
”装うのも億劫になりつつある。同年代の汚いバアサンはみな、「楽が一番」と言っていることを思い出した。自分もその考えに近づいている”という状態になってしまいます。

自分の「ファッション(外見)に対するポリシー」が揺らいだのですね。

 

”老衰”と”衰退”

外見や人生について想いを巡らせたハナは、
”思えば、今までは水の中で空気を求めてもがいていた。その空気とは「若さ」や「若返り」だったと思う。だが、求めていた空気とは、実は「衰退を受け入れること」だったのではないか”という境地にたどり着きます。

「老衰」と「衰退」は似たような言葉ですが、
ハナはそこを明確に区別して捉えたということですね。
自分の目指す姿、ポリシーを曖昧にしない、というのはすごく大事なことだと感じました。

 

自分のポリシーを言語化しよう

以前、クローゼットの整理をさせていただいたお客様に、
「好きなファッションがわからなくなってしまった」という方がいらっしゃいました。
どうにかして「好きなファッション」を見つけていただきたいと思い、
お客様とじっくりお話ししたり好きなコーディネートのお写真を見せていただいたりして、
「お客様が好きなファッション」を私が言葉にして表現したことがありました。

そうしたところ、そのお客様が「言語化していただいてすっきりしました!」と言ってくださったのです。

言葉の意味に敏感になり、自分の感覚を確かにしていくことはとても大事なのだと感じます。

まとめ

ということで、「自分の好きなファッションがよくわからない」という方は、
「好きなファッションのイメージ」を言語化することをおすすめしますよ。
その時は、なるべく事細かに、ご自身にとって”一番しっくり来る言葉”を使ってみましょう!

もし、「自分一人では難しい」という方がいらしたら、ぜひご相談くださいね!

 

 

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吉田 直子

ファッションに関する診断を通して、お客様にとって”ちょうどいいおしゃれ”をご提案しています。 過去に根強い外見コンプレックスがあった経験から、コンプレックスとの向き合い方もご紹介します。

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