SDGsやエシカルという言葉をよく聞くようになりましたね。
私も、ファッションとSDGsやエシカルに関心を持って日々活動したり本を読んだりしています。
そこで今日は、私と同じようにSDGsやエシカルに関心があり、良い本を探している!という方におすすめの本をご紹介します。
温暖化対策として、あなたがしていることは?
「温暖化対策として、あなたは、なにかしているだろうか。
レジ袋削減のために、エコバッグを買った?ペットボトル飲料を買わないようにマイボトルを持ち歩いている?車をハイブリッドカーにした?
はっきり言おう。その善意だけなら無意味に終わる。それどころか、その善意は有害でさえある。」
―『人新世の「資本論」』斎藤幸平著 より引用
今日ご紹介する、『人新世の「資本論」』の出だしは、上記のような衝撃的な文章で始まります。
え、、衝撃ですよね??
昨年始まったレジ袋の有料化や、マイ〇〇の持ち歩きは、「地球環境のために良いこと」として取り組んでいる方も多いはず。
私もその一人です。
この本はぱっと見難しそうなタイトルですが、専門的な言葉はきちんと解説されていますし、
わからない言葉があれば調べながら読み進めれば読み切れると思います。
私たちは先進国に住み、物質的に豊かすぎるぐらいの生活をしている人がほとんどではないかと思います。
その豊かさは、この本で「グローバル・サウス」と表現される領域ならびにその住民の困窮や犠牲のうえに成り立っています。
そういった困窮や犠牲について、私たちは耳にタコができるぐらい聞かされてきたけれど、
日常においてそのような出来事は「外部化・不可視化」されており、私は継続的に考えることをしていませんでした。
新しい技術は、気候危機を救うのか?
この本では、現代農業や再生可能エネルギー、リチウムイオン電池、電気自動車、BECCS(大気中の二酸化炭素を回収して地中や海洋に貯留する技術)などの新技術の問題点にも言及しています。
現代農業や新技術じたいを批判するわけではなく、技術をめぐる周辺の問題をわかりやすく解説してくれています。
脱成長できるか
気候変動を止めるための目安として、「生活の規模を1970年代後半のレベルにまで落とすこと」としばしば言われるそうです。
(画像は東京ガスさんのHPよりお借りしています。「生活の規模を1970年代後半のレベルにまで落とすこと」というのは、日本のみならず、世界全体として、と捉えて良いかと思います)。
1970年代後半には私は生まれていないので、どんな生活だったか、想像したり調べたりすることしかできません。
しかし、その頃の生活が物質的/精神的に非常に貧しく人々が不幸であったか、と考えると、
そこまで厳しい生活ではなかったのではないか、とイメージしています。
環境破壊を遅らせるひとつの選択肢として、「どのような」脱成長を目指すべきなのかが重要だ、と斎藤氏は述べています。
まとめ
自分の仕事(ファッションとお片づけ)に立ち戻って考えると、
「着飾ること」と「物量」のバランスがうまく取れず、苦しんでいる方が多いなと感じています。
もしかすると私たちは、”物によって満たされること”や”便利さ”を追求することを少し休んでもいいのかもしれません。
「ご自身の生活スタイルや生活リズム、お家の広さに合ったおしゃれやお片づけをぜひしていただきたい!」と思うのと同時に、
「気候問題やさまざまな国が抱える問題」にも目を向けつつ生活することも、
お客様とご一緒に考えていきたいです。
吉田 直子
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